連続する軌跡が空間中に充填されていき、立体的な存在になっていく。描かれる場所は変わっていき、その存在の形は変容していく。
鑑賞者にとって、作品と一体となった他の人々は作品世界に存在し、鑑賞者もまた、他者に作品と一体となって見られた時、作品世界の空間に存在する。
作品世界の空間に多数の視点を置き、「超主観空間」によって視点周辺の作品空間を切り取り平面化し、その平面を展示空間において視点と相対的に同じ位置に配置した時、展示空間は作品世界が重ね合わされる。鑑賞者の視点が固定されず、鑑賞者の視点は左右方向だけではなく奥行き方向にも自由になり、縦横無尽に歩きながら、身体ごと作品世界に没入する身体的知覚を模索する。
鑑賞者は、スクリーン越しに、作品と重なり合う他の人を見た時、鑑賞者にとっては、展示空間だけでなく、作品世界の空間にその人が存在することと同等になり、他の人々は、作品の一部となる。